20世紀になり医学はすさまじく発展しました。
特にこの30年間は以前では思いもつかないほどの進歩を遂げています。
平均寿命は年々伸び、癌ももはや不治の病ではなくなりつつあります。
しかし、未だに原因が分からない病気もたくさんあります。
今までの治療は、悪いところを取り除いたり、薬を用いて正常な体に近づける事が主流でした。
しかし21世紀になり、今までとは全く異なる治療が開発され実施されるようになりました。
それは、今までのように悪いところを取り除くのではなく、悪くなったところを新しく創りだす「再生医療」です。
以前より全世界で研究および臨床実験が数多く行われてきました。
その結果、「再生医療」の効果がいろいろな疾患に認められるようになりました。
日本でも平成27年11月に再生医療法が施工され、いくつかの疾患に対して治療を行うことができるようになりました。
これからも「再生医療」はどんどん発展し人類に無限の利益を与え続けることと信じています。
人間の体は60兆個の細胞で構成されています。
この60兆個の細胞も「受精卵」という1個の細胞から始まりました。
たった1個の受精卵が分裂を繰り返しどのような細胞にでも分化できる万能細胞が出来上がります。
幹細胞もこの万能細胞の1つです。
私たちが治療で使用するのは、成体幹細胞と呼ばれ、成人の体のなかで細胞を作り出す役割です。
幹細胞は、体の古くなったり、傷ついたりした細胞を入れ替えるため新しい細胞に変化する役割を担います。
この新しい細胞に変化する事を「他の細胞に分化する」といいます。
私たちの治療はまさに、この分化する力を利用することです。
幹細胞は体のいたるところに存在しており、弱った細胞や傷ついた細胞に集まりその部位で分化し新しい細胞になります。
(幹細胞のホーミング効果)。
また幹細胞は体のいたるところから採取することができます。
(血液、皮膚、臍帯、骨髄、脂肪など)
私たちの今までの研究では脂肪由来の幹細胞(脂肪から採取した幹細胞)が最も分化能力に優れていることがわかっています。
そのため私たちは脂肪から脂肪由来の幹細胞を取り出し、時間をかけ、幹細胞の質を落とさず、量を増やしていき、最終的には点滴で全身に戻したり、悪い部位(顔、膝、足など)に投与します。